幌舞さば緒

シンデレラの幌舞さば緒のネタバレレビュー・内容・結末

シンデレラ(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

王国の人たちの人柄が分かる描写が追加されてるところがエクセレント。トレメイン夫人のもとを離れ、シンデレラが嫁ぎに行った城にキット王子と人格者であろう大佐(名前不明)がいるってのも安心して物語の余韻に浸れる要因だと思う。1時間39分の美しすぎる映像体験を堪能した後に流れる新しい主題歌【Strong / Sonna Rele】も含めて素晴らしい。そして、立て続けに【夢はひそかに】【ビビディ・バビディ・ブー】を聴かせてくれる贅沢なエンドロール。ヘレナ・ボナムのフェアリーゴッドマザーもめっちゃいい。


台詞メモ

両親にとってエラはプリンセス。地位も王冠もお城もありませんが小さな王国の女王でした。先祖代々暮らす家と牧場にはエラの家臣が住んでいました。ガチョウと動物たちです。

「心で聞けばネズミの言葉もわかるわね。私たちの守り神よ」「私たちの守り神は?」「フェアリー・ゴッドマザー」「本当にいる?」「そう信じるわ」「私も信じる」

「私の愛しい子、話しておくわ。人生の試練を乗り切るための秘訣を。覚えておいて。〝勇気と優しさを持つこと〟エラは誰よりも優しい心を持ってるわ。あなたの大きな力になるはずよ。魔法の力よ。勇気と優しさを忘れないで約束して」

時が流れて悲しみが思い出に変わりました。エラの心は変わらず、約束を忘れませんでした。勇気と優しさを。

「ハッピーエンドが好き」

ハデ好きなまま母は客を招いて笑いに興じる毎日でした。

「エラ、新しい母親や姉たちと仲良くするんだよ。たとえ3人に不機嫌な時があっても」「約束するわ」「この家に私の思い出を残していくよ。いいね?目には見えないがお母さんの面影も宿ってる。至る所に。だからお母さんのために家を大事にするんだ」「お母様が恋しい」「お父様は?」「恋しいよ」

姉妹は朝が弱いようです。家事の能力はまるでありません。もちろん芸術の才能も。

「最後まであなたとお母様の話をしてました。これを渡せと」「私のレースは?」「パラソルは?」「分からないの?身の破壊よ。どう生きろと?」「ありがとう、あなたも大変だったわね」

「閃いたわ。シンダー娘」「灰まみれ。汚いエラ」「シンデレラ、そう呼ぶわ」

「彼を怖がらせたわね」「彼?」「シカよ。シカに何の恨みが?」「狩りをしてただけだ。君の友達?」「そうよ、今出会ったの。見つめ合って彼を死なせてはいけないと感じたわ」「君の名前は?」「聞かないで」「森の奥は危険だ」「あなたがいるから大丈夫」

「お城の人たちは親切?」「必要以上にね。君は?」「何とか耐えてるわ」「気の毒に」「気にしないで」「でも辛いんだろ」「でもないわ。もっと不幸な人がいるし。だから…勇気と優しさを忘れたくないの」「そうだね、その通りだ。僕もそう思う」「シカを殺さないで」「でも動物を殺すのが狩りだ」「決まりごとが正しいの?」「言う通りだ」「じゃあ…殺さないわね?」「殺さないよ」

「また会おう」「きっとまた」

「生まれて初めて美女に会ったか」「美しいだけじゃない。豊かな心の持ち主です」「森で出会っただけで何が分かる?」「母上に一目惚れでは?」「妻は王族だった」

「時間厳守は王子のマナーだぞ」

「舞踏会で花嫁を選べ」「誠実な村の娘を花嫁に選ぶことは?」「村の娘と結婚して何の得が?王国が強くなると?我々は大国に囲まれた小さな王国ですぞ。危険だらけだ」

「私の望みは結婚と王国の安泰だ」「分かります」「1つ条件が。王侯貴族だけでなく国民も招待を。戦争の悲しみを癒したい。「国民は喜ぶだろうか?」「私には分かりませんが楽しけりゃ歓迎です」「交換条件にしては?国民を招待し、殿下は花嫁を選ぶ」

「なぜ酷い扱いに我慢を?」「両親と約束したから。両親が愛して幸せに暮らした家を守るって。代わりに私が愛するわ。私の家だもの」

「集中してませんね」「すまん」「上の空だ。あの娘が忘れられない」「娘なら大勢います」「あんな娘はいない」「熱心ですな」「彼女のことは何も知らない」「その娘が舞踏会に現れると踏んでみんなを招いたのでは?」「国民のためだ」「深いお考えですな」「もし現れたら?」「おうじだと名乗って自由に花嫁を選ばれては?」「言うね。父上と大公は王族と結婚しろと」「その娘が魅力的なら2人の気も変わりますよ」

「どんな男でもお金がありゃいいわ」「どんな人か知りたくない?」「人柄に興味ないの」

「ママは〝男はバカ〟だって。あんたも思い知るわ」

エラは張り合う2人を可哀想に思いました。見た目は可愛いのに心が醜いからです。

4着目のドレスはありません。エラは自分でドレスを縫うことにしました。それに頼もしい助っ人が。

「許してお母様。ごめんなさい、勇気を持つと誓ったけどもうムリ。何も信じられない」…「ちょいと、頼みがあるの。1かけらのパンとミルクを1杯くれる?」「いいわ、もちろんよ。すぐ持ってくるわ」

「不安だわ。私は王女じゃないし」「僕もただのトカゲです。楽しんで下さい」

「キットさん」「君だね、そうだろ?」「そうよ」「姫君、もしよければ、ぜひお願いしたい。あなたの手を取って踊る名誉を。最初の…」「ダンスを?」「そう、ダンスだ。いいかな?」

「陛下、キット殿下は立派な方ですわ。優しくて勇敢で心から父君を愛してます」

「王国強化のために他国の王女と結婚する気はありません。私たちがそれぞれ勇気と優しさを持てばこの王国を守れます」「その通りだ。自立した本物の男になったな。遺言を伝えておきたい。お前にふさわしい父として。打算のための結婚は忘れろ。愛する人を選べ。あの娘を捜せ。捜し出すのだ。謎の美しい娘を。そそっかしい…靴を落とした娘を。笑顔で生きろ」「感謝します父上」「ありがとう、キット」「愛する息子よ」「愛する父上」

「このたび新しい国王陛下が愛を宣言された。相手はナゾの王女である。ガラスの靴を履いて舞踏会に現れた方だ。ぜひとも本人は宮殿に名乗り出てほしい。同意が得られれば国王陛下はただちに結婚される。華やかな婚礼となるだろう」

「昔々ある所に美しい娘がいました。愛する人と結婚して2人の娘に恵まれました。幸せな毎日でしたがある日、夫が不運にも亡くなりました。彼女は娘たちのために再婚。でもニ番目の夫も他界したのです。彼女はその夫の娘を毎日世話するハメに。望みは美人で愚かな実の娘が王子と結婚すること。でも王子はガラスの靴の小娘に夢中。そして私はずっと不幸な一生を送りました…でも、そうはならない。次はお前が話す番よ。靴を盗んだの?」「いえ、もらった靴よ」「もらった?お金がないと手に入らないわ」「違います。優しさも愛もお金じゃないわ」「愛はタダじゃない。王子と結婚するなら恩を返して頂だい。親のいない使用人が名乗り出ても誰も信じないわ。私のような立派な後見人がいれば別だけど。結婚後は私を女官長にしてもらうわ。2人の娘は有力者に嫁がせ私はあの若造を操るの」「若造じゃないわ」「偉そうに。王国を支配するつもり?私に任せれば悪いようにしないわ」「断るわ」「断る?」「王子と王国をあなたから守ります。私がどうなっても」「とんでもない間違いよ」「酷い!どうして?どこまで意地悪なの?優しくしようと努力したのに」「優しく?」「そうよ。どれだけいじめれば気が済むの?なぜなの?なぜ?」「なぜ?」「お前は若くて清らかで素直だからよ。でも私は…」

「ナゾの王女を捜し出し、もし彼女が望まなくても再会したい」

エラは訪問者が誰か気にもしませんでした。どうせ関係ないと。エラは悲しくても絶望しませんでした。甘い記憶が美しい思い出になると知っていたからです。両親と幸せに過ごした遠い思い出のように。

「心が安らぐ甘い歌声だ」「存じ上げず…」「大佐、家を調べろ」「喜んで調べましょう陛下」

「禁じることを禁じる。私は王国の司令官だ。あなたは皇后か?聖人か神か?」「この子の母です」「今でも、これからも母じゃない」

果たして自分は王子にふさわしいのか。魔法には頼れません。最大の難関が待ち受けていました。ありのまま自分を見せるのです。〝勇気と優しさを忘れずに〟

「私は王女でもなく馬車も持ってません。両親も失い持参金もありません。靴が合うかどうか分かりませんが、もし合えば愛して下さる?あなたを愛する娘を」「もちろんだ。ありのままの僕でよければ。見習いの身だが」

「優しい心で」「勇気を持って」「それが大事だ」「心の準備は?」「君がいる限り大丈夫」
幌舞さば緒

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