イチロヲ

軽井沢夫人のイチロヲのレビュー・感想・評価

軽井沢夫人(1982年製作の映画)
4.0
軽井沢の豪邸に派遣された給仕係の青年(五代高之)が、別荘に幽閉されている有閑マダム(高田美和)と遭遇する。生き甲斐を模索する青年と真の愛情を求める夫人の交流劇を描いている、日活ロマンポルノ。創立70周年のポルノ大作。NCP共同製作。原作者の嵯峨島昭は、宇能鴻一郎の変名。音声はシンクロが採用されている。

上流階級に足を突っ込んだ青年が異世界転生してしまう物語。かつてのアイドル女優・高田美和の初脱ぎ作品であり、公開当時35歳の熟れた裸体と穏やかな色香を堪能することができる(撮影現場では当時の夫・片岡秀太郎が付き人を務めていた)。

恋狂いという熱病に罹った青年の言動がいちいち面白く、夫人とひとつ屋根の下にいるときの浮足立った感覚がひしひしと伝わってくる。とりわけ、ブリーフ一丁の姿で待機して、夫人との対面を待つ展開が抱腹絶倒。

終局に入ると、夫人の姪(吉川由美)とその恋人(北見敏之)を絡ませた、犯罪劇のシークエンスが動き出す。「男の人生を破綻させてしまう魔性の女」と「人生の破綻を受け入れる男」の王道パターンに身震いさせられる。
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