北アイルランド問題の歴史をたどれば中世にまでさかのぼる。イギリスによる植民地化政策によって生まれるプロテスタント対カトリックの宗教対立。パレスチナ問題しかり、宗教対立は歴史が長いだけに難解だし解決するのに時間がかかる。
警察のによる家宅捜索が行われている街の一角が、徐々に暴動に発展していく様子は、非常に緊迫感を持って表現されていた。敵が味方か、誰に遭遇するか分からない。一人残されたゲイリーにとって、ベルファストの街は迷路と化す。英国とIRA。表向き対立していてもある所では裏で手を握っていたり、IRAの中で内部対立があったり。実際もそうだったんだろなと思わせる。
短い尺の中で上手にコンパクトにまとめられているが、残念ながら特に刺さるものはなかったのでこの評価。ゲイリーの家族として弟だけしか登場していなかったので、両親の存在含め主人公の背景をもう少し描いて欲しかった。
