ナーオー

クレイジー・ドライブのナーオーのレビュー・感想・評価

クレイジー・ドライブ(2014年製作の映画)
4.0
『NARC ナーク』
『スモーキン・エース』
『特攻野郎Aチーム』
『ザ・グレイ』
『コンティニュー』
などのジョー・カーナハン監督作品。

本作は『特攻野郎Aチーム』以上に
コメディ映画へと振り切って作られているので、『NARC ナーク』、『ザ・グレイ』みたいなカーナハン監督のダークな作家性をお求めの方はコレジャナイと感じてしまうかもです。

個人的にも彼のダークな作家性が出た『NARC ナーク』や『ザ・グレイ』の方が好きですが、1つのコメディ映画としては面白かったです。

日本では残念ながら劇場未公開でビデオスルーになり、アメリカでもお蔵入り寸前となり、一部で限定公開された後すぐに配信スルーという中々な作品ですが、
理由の一つとしては本作の"コメディ"部分です。

全体的に物凄く下品でチープな笑い。
本作は要するにジョー・カーナハン版
『ハングオーバー』です。どこをどう取っても下品で登場人物も口を開けばすぐに下ネタのオンパレードなので、『ハングオーバー』シリーズ同様に感性が合わないと楽しめない映画だと思います。

『ハングオーバー』のスチュ役でお馴染みのエド・ヘルムズが出演していたり、『ハングオーバー』らしく無駄に豪華キャストが真面目に馬鹿をやっていたりと完全にブラック・お下品コメディ映画でジョー・カーナハン映画らしくないと思うかもしれませんが、しっかりと本作にはこれまでの作品と共通するテーマが含まれています。

それは"立ち上がる"ことです。

本作の主人公は俳優を目指してロサンゼルスにやってきたけど、酒とドラッグに溺れた借金まみれの人生を諦めた男です。

そんな男が人生を取り戻すために
"立ち上がる"という物語です。

カーナハン監督の過去作
『ザ・グレイ』は
生き残るために"立ち上がる"物語
『コンティニュー』は
家族のために"立ち上がる"物語
なんなら『特攻野郎Aチーム』は
汚名返上のために"立ち上がる"
という、これまでの作品と共通するテーマが本作にもあり、カーナハン節は健全です。

また無駄に豪華キャストが真面目に馬鹿やってるものとにかく楽しい!

特にクリス・パイン。
カーナハン監督作『スモーキン・エース』といい、どうしてカーナハン映画のクリス・パインはこんなに面白いんだ🤣奇行に奇行に奇行で完全に変人役に振り切っていて本当に面白かったです。

また本作には俳優たちがそのまま本人役として多く出演しており、『ウォーキングデッド』シリーズのダリル役でお馴染みのノーマン・リーダスや『NARC ナーク』、『スモーキン・エース』に引き続きカーナハンとタッグを組むレイ・リオッタも今作では遂にレイ・リオッタ本人役で出演。

そして"ザ・ホフ"こと
『ナイトライダー』のデビッド・ハッセルホフが、いかにもホフらしいキャラ、つまり本人役という笑
彼が出る場面は最高に笑えました。

内容が内容なのでビデオスルーは仕方がないような気もするけど、『ハングオーバー』シリーズが劇場公開できたんだからこれもしてほしかったなぁ〜
ナーオー

ナーオー