さやか

グレイテスト・ショーマンのさやかのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.0
もう少しずつ春が近づいてます。
歌とともに、物語がテンポよくぐんぐん進んでいくミュージカル作品です。さまざまなテーマの一つとしてあった、どんな背景があってもそのひとを偏見なしで見ること。これは当たり前なようで実はすごく難しいことだと終始考えさせられました。

作中で「これまで恵まれてきた君に自分の気持ちがわかるはずない」と主人公が妻に言葉をぶつけるシーンが特に印象的でした。主人公は義理の両親に見下され続け、ショーを開いてお金を稼いで彼らを見返そうとがんばりにがんばって、表面的には成功の階段を猛烈な勢いで上っていきます。お金を稼いでも稼いでも、彼らに認められていないと感じ、フラストレーションを感じて行き詰まってしまいます。

しかしながら、わたしは恵まれてきたひとがこれまで全く苦労をしていないことなんてきっとないと思います。ひとは自分の辛い経験を進んで話さないことが多いです。どんなにそのひとがお金持ちで成功者で恵まれているように見えても、そのひとにしかわからない何かしらの苦労や人生のターニングポイントがどこかに存在しているはずです。

そして、個人的にすごくいいなと思ったのは、主人公の主催するショーをずっと皮肉を交えて批評していた新聞記者と主人公の関係性です。言葉は少ないけれど、主人公を心配し、思いやっているのが伝わってきて、心がじんわりあったかくなりました。本当の友人は、いざというときに批判して自分を正してくれる存在だと感じます。自分を正面から叱ってくれる仲間を大切にしていきたいものですね。
さやか

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