さやか

ビニー/信じる男のさやかのレビュー・感想・評価

ビニー/信じる男(2015年製作の映画)
4.1
ボクサーとしてこれからもっと活躍していけるかもしれないというときに大事故に遭い、運命が変わってしまった人物の実話。

もうボクシングはできない、君にはもう無理だよ、また歩けるかどうかすらわからない、と、お医者さんや家族にまで聞きたくない言葉をたくさん浴びせられます。本人を心配してこその言葉だったのかもしれませんが、このとき本人が欲しかったのはまた闘っている姿を見たいという応援の言葉だったのかもしれません。

腫れ物に触るような居心地の悪い雰囲気の中、主人公は、もう誰も自分をボクサーとしてではなく、怪我人としてしか見てくれないのかとひどく落ち込んでしまいそうになりますが、彼の専属コーチだけは味方でした。できることから少しずつ、二人で密かにトレーニングをはじめます。

どんなにまた闘うことが無理だと言われても、その言葉を逆にやってやろうじゃないか、みんなを驚かせるぐらい活躍してやる、と奮起する活力へと変えてしまう彼の強さに元気をもらいました。「諦めてしまうことは簡単だからこそすごく怖い」という言葉が印象的です。

一度きりの人生、諦めずにこだわり抜いていく部分も持ち合わせていきたいと思わせてくれる作品と出会えました。明日からまた頑張る活力を分けてもらえた気がします。
さやか

さやか