イチロヲ

新妻地獄のイチロヲのレビュー・感想・評価

新妻地獄(1975年製作の映画)
3.5
夫(五條博)との訳ありの結婚生活を経て、単身実家に戻ってきた夫人(谷ナオミ)が、性衝動の暴走に悩まされていく。抑制させることができない性的欲動を描いている、日活ロマンポルノ。団鬼六原案。

主人公の過去の出来事をフラッシュバックさせながら、「どうして谷ナオミがこうなってしまったのか」を綴っていく形式。回想シーンに登場する、「10代の谷ナオミ」が色々な意味で見応えあり。

数名の異常性愛者が絡んでくるが、個人的には前半部の責め絵師のくだりに興味が注がれる。芥川龍之介・著「地獄変」の要素が盛り込まれており、嫌がりながらもちゃんと脱がされていく、谷ナオミの「脱がされ芸」を堪能することができる。

緊縛プレイに興じている夫婦(井上博一&東てる美)のシークエンスでは、例に漏れず「SMは互いの信頼関係のもとに成り立っている」の法則にちなんだ人間模様が展開される。「マゾヒストに愛の手を」を含ませた、優しさに包まれる作品とも捉えられる。
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