ひこくろ

モラトリアム・カットアップのひこくろのレビュー・感想・評価

3.9
久しぶりに自主制作らしい自主制作映画を観たなあって気分になった。

ごく私的な物語がいかにも手作りといった感じの映像で収められていく。
PFF(ぴあフィルムフェスティバル)が始まった当時の1980年代は、大半がこういう映画だったような気がするが、いまとなってはとんと見かけないタイプの映画だ。
それを2015年に真っ直ぐに撮っている人たちがいる事実に、単純に驚いた。

内容というかテーマは「未来へ進むってことは本当にいいことなの?」というメッセージのようなものだが、そんなに深いわけではない。
あくまでも、ごくごく私的な思いが綴られているって印象が強い。
ただ、映画を撮りたいって気持ちが突っ走っているのだけはよくわかる。
撮影、めちゃくちゃ楽しかったんだろうなあ、と想像してしまった。

しかし、こういう映画を心から楽しめなくなってしまったのは、年齢の問題なのだろうか。
どうにも心は動かされなかった。
ひこくろ

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