あつお

ダウンサイズのあつおのネタバレレビュー・内容・結末

ダウンサイズ(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

人生の真の幸福を再考する作品。
舞台は地球の環境変化が進んだ時代。現代に近い状態だろうか。人類は将来的に、地球上の資源を使い果たし、やがて絶滅すると思われる。そうした悲惨な時代を避けるために考案されたのが「ダウンサイジング」。地球上の資源量が限定されているのならば、私達の方が小さくなればよいのだ。相対的に消費する資源が大きくなるため、月僅か数ドルで暮らせるようになる。最低限の労働で、誰もが羨むような豪華絢爛な暮らしが可能となるのだ。
主人公のポール・サフラネックは、そんな豪華な生活に憧れて、妻オードーリーと共にダウンサイジングを決意。しかし、直前でオードーリーはダウンサイジングを拒否。人間離れした小人の生活に躊躇したのだろうか。やがてサフラネック夫妻は離婚。ポールは物質的な豊かさを手に入れたものの、人間的な豊かさは失うことに。果たしてポールの人生はどうなるのか?
物語が進むにつれて、ポールは物資的に豊かな生活を手放し、一人の女性の為に尽くすようになる。偶然の出会いであったが次第に二人は惹かれ合う。
人間にとっての最大の幸福とは何なのか?人類の存続に貢献することなのか?一人の人間の為に、一生を捧げることなのか?豪華な商品に囲まれた生活を送ることなのか?自分が憧れる生活と、真に充実感のある生活は乖離する場合が多い。そんな理想と現実のギャップに気付かされる作品です。
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