雑なCGや整理されていないストーリー、ベタでしつこいギャグなどいかにも中国風味で、このセンスにどっぷり浸かってしまうと楽しめる作品。
ただ個人的には、微妙にずれている感覚がまるでマトリックス世界のバグのように気になってしまった。
お国柄が大きく関係しているように思えてならないのだが、とにかく倫理観がズレている。ブラックなジョークとしてではなく、自然と出てしまった非常識ととれてしまうのが脚本の悪さか。
そして最大の不自然さが、妖怪と人との共存問題や村を焼かれ捕らわれた妖怪たちのエピソードを、なぜ現実の問題のメタファーとして描かなかったのかということ。
どう見てもウイグル人の問題を思い起こさせるシーケンスだ。普通の監督ならここに中国政府が行っている人権侵害、迫害に対しての批判を込めるところだろう。
落としどころも人から逃げてひっそり暮らしなさいでは、政府のプロパガンダではないか。
政府との間に大人の事情があったのかと邪推したくなってしまう。
まぁ、こんな堅苦しいことは考えず、童心で流して観たほうが良いのだろう。
余談。
一番のツッコミどころは
「痴呆のばあさん、ほったらかしかい!!!」
だな。