イチロヲ

花と蛇 地獄篇のイチロヲのレビュー・感想・評価

花と蛇 地獄篇(1985年製作の映画)
3.0
スケバン娘(藤村真美)に騙された継母(麻生かおり)が、SM調教ショーを嗜好している暴力団組長(仙波和之)のもとに連れて行かれてしまう。「隷属の歓び」を題材にしている、日活ロマンポルノ。団鬼六原作。

団鬼六の原作に則した内容だが、一長一短ともいえる脚色が施されている。専属運転手(中田譲治)の心理描写に「横恋慕の裏返し」が含まれておらず、組長に夫人を与えてしまう心情が、イマイチ深掘りできていない。

夫人を凌辱する年配者たちが「へっへっへっへー!」というステレオタイプなゲス芝居をするところもツライ。ここは、若いスケバンの暴力性と(女体に対する)芸術鑑賞を対比させる手法を利用して欲しかった。

麻生かおりの存在感は可もなく不可もなく。縄を使った緊縛の過程がじっくりと映像に収められており、豊満な肉体美を拝み倒すことができる。谷ナオミの役者根性を完璧に引き継いでいるようにも感じられる。
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