イチロヲ

桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガールのイチロヲのレビュー・感想・評価

4.5
自身の軽はずみな性行動を顧みる女子高生(竹田かほり)が、家出した友人(亜湖)を捜すための一人旅に出立する。ロスト・バージンの衝撃を抱えている少女の自分探しを描いている、日活ロマンポルノ。橋本治の同名小説を原作に取っている。

主人公の女子高生は、処女であることが足枷になっており、とにかく処女を捨てるために猪突猛進する。十代特有の刹那的な言動が躍動感たっぷりに描かれており、あれこれと哲学するよりは、こちらのほうが遥かにリアリティがあることがよく分かる。

雪深い信州、金沢、京都へのロードムービーになっているため、移り変わる映像美を単純に楽しむことが可能。ゲイの同級生(高橋淳)、子持ちの娼婦(片桐夕子)、粗野な淫蕩男(内田裕也)など、端役の顔ぶれも存在感ばっちり。

背伸びしたがりの主人公コンビが、各々の性観念のもとにマウントの取り合いをするところが可愛らしい。また、本作は90年代中期に当時未成年の著者が鑑賞した、人生初のロマンポルノなので、個人的な思い入れが強い。
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