イチロヲ

エロチックな関係のイチロヲのレビュー・感想・評価

エロチックな関係(1978年製作の映画)
4.0
浮気調査依頼を受けた私立探偵(内田裕也)が、依頼者(田中浩)と関係している女性(牧ひとみ)に絆されてしまう。女の二枚舌に翻弄される恐怖を描いている、日活ロマンポルノ。レイモン・マルロー著「春の自殺者」を原作に取っている。

イタリア人作曲家(実在しているのか不明)の優雅な楽曲をフィーチャーしながら、オシャレ感覚の捜査劇が繰り広げられる。私立探偵の、のらりくらりとした振る舞いが魅力満点であり、仕事に支障が出るレベルのエロ妄想癖に笑わせられる。

しかしながら、牧ひとみの言動があまりにもホラーなため、彼女に心惹かれていく探偵の気持ちに同調することができない、という難点あり。ここは、護るべき薄幸美人としてミスリードさせながら、後半の逆転劇へと繋がるようにしたほうが良かったかも。

端的に述べると、「近くにある幸せを大切しなきゃダメ」ということを説いている物語。探偵を尻に敷いている秘書(加山麗子)のフィジカル系の芝居が素晴らしく、彼女の一挙手一投足に多幸感を得ながら鑑賞することができる。
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