ちびねこ

君の膵臓をたべたいのちびねこのネタバレレビュー・内容・結末

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

リピートもの。
なぜ、前回に観た時は感動しなかったんだろうと思いました。
主人公が病気で死ぬという映画はたくさん観て来たし、どうせいつものお涙頂戴=感動させようとしてるのが見え見えなんでしょ?って思ってながら見してたからかな?

いや〜、とんでもなく良かったです。
浜辺美波(桜良)、本当は死ぬのが怖いのに元気なふりをしている桜良を天真爛漫の笑顔で演じていました。
北村匠海(僕)、人間嫌いで人と関わる事が苦手で本ばかり読んでいるとにかく暗い役柄を、それって素じゃないの?っ思わせたりするくらい役作りをしていたと思います。
若干、浜辺美波の話し方が子供に絵本を読んであげているような感じでちょっと鼻に付いたけど、まぁ許容範囲という事で。
余命幾ばくもない桜良に振り回されながらも少しずつ距離を縮めていく僕。
この辺りまではこれまでに何回も観てきたものと同じなんだけど、最後に桜良の死が今までの作品とは違って。

自分の命がもう長くない事を知っていて、だからこそ精一杯生きようと頑張っていた桜良。
でも、そんな桜良の命を奪ったのは病気では無く見ず知らずの通り魔。
桜良は2度死んだ訳ね。
やがてやって来る病魔に、そしてその前に予期しない殺人鬼に。
もう最後の外出許可。
僕とのデートをどんなに楽しみにしていただろうか。
もう何日も生きられない、死はすぐそこまでやって来ているのに。
こんな死に方をする為に、どんなに辛い事も我慢して何もかもを頑張って生きて来たんじゃ無いのに。
考えれば考えるほど虚しい。
残酷過ぎる。
親御さんの気持ちを考えただけでも本当に言葉になりません。
最初の方で桜良が僕に言った台詞。
「もしかしたら明日突然、君が先に死ぬかもしれない。事故とかさ、私も君も1日の価値は一緒だよ」
でも、やっぱり先に死んだのは桜良。

しかし、病気ものは桜の季節の話が多いですね。
満開の桜がいつしか儚く散っていく、その姿を主人公に重ねているんですかね。
ちびねこ

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