傑作正統派西部劇！
原題は『Forsaken』。銃を捨てて故郷へ戻った元ガンマンの償い。
キーファー・サザーランドとドナルド・サザーランドの親子共演は見もの。
冒頭から美しい撮影に心掴まれた。カナダのカルガリー近郊の牧場で撮影された本作は、美術、衣装、メイクともになかなか高質で、リアリティと美しさを兼ね備えている。
派手なガンアクションは全編90分のうち最後の20分だけ。物語の軸は後悔を抱えた主人公の贖罪と宿命のドラマだ。父と子が和解していく様子は、実の親子が演じているだけあって説得力たっぷり。
荒れ地を開墾をする主人公が、必死に木を伐り土を耕す場面は、西部に生きる人間の営みの様子が感じられる印象的な場面だった。
いわゆる歴史修正主義西部劇と呼ばれるジャンルの作品ではあるが、内容はいたって王道。本作の評価があまり高くないあたり、王道の西部劇がもう求められていないことを現しているようで少し悲しい。
