20年ぶりに地元で偶然再会した高校時代の恋人が、翌朝まで時間を共にする様子を描いたモノクロロマンスドラマ。
"There is nothing wrong with my life. I should be happy. But there is this sadness... and I don't know where it comes from."
隠れた傑作。現実的でビタースウィートな大人のロマンスドラマ。二人のその後に思いを馳せながら、良い映画を観たなという余韻に浸っている。
近くて遠く、遠くて近い二人の心の距離。長くて短く、短くて長い20年間。二人の間を流れるぎこちない間と微妙なズレがあまりにもリアルに映し出されていた。
2人がなぜ別れてしまったのか、それが明らかになるまでの過程がとても丁寧に演出されていて引き込まれる。サラ・ポールソンとマーク・デュプラスの限りなく自然で繊細な表情の演技も素晴らしい。
終わりとも始まりともとれる絶妙なラストシーンが感慨深い。今後2人がどのような関係を築いていくのかは分からないが、長年抱えていた心のわだかまりが解け、清々しく前向きに生きていくことだろう。そう思わせる2人の表情だった。
本作を観て、恋愛は素敵なものだと考えるか、それとも嫌なものだと考えるか。意見が二分されるのではなかろうか。
カセットテープと手紙。アナログなアイテムが良い味を出している。残酷なまでに生々しい記憶のタイムカプセルだった。
・撮影期間はわずか7日。
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