直近.大好きな『東京の恋人』森岡龍さん主演。
その作品にも出演されていて只今公開中の大変気になっている作品『れいこいるか』の監督でもある.いまおかしんじ監督作品という事で鑑賞。

ポップに例えるならば、池田エライザさん主演『ルームロンダリング』の末端人生凝縮濃厚版。
本編72分とは思えないぐらいの濃密さだった。

個人的には森岡龍さんの華ある爽やかさと手塚真生さんの可憐さで最後まで鑑賞する気になれた。
が、素性を明かす事なく、いびつな関係性のバディムービーとしての続編は期待してしまう。


少しネタバレ的な事記します。↓








鑑賞した時期が悪かったのか、ただでさえより身近な問題で感染し易いコロナの脅威に脅かされている昨今。
ハードボイルド作品にはよくある余命幾ばくかの哀愁さの為なのか、ストーリーにHIVを持ち出す必要性の説得力がそこまで感じられなかったのは残念だった。

奇妙で熱い作品を生み続けてきたいまおかしんじ監督がレイモンド・チャンドラーの傑作「ロング・グッドバイ」を真面目にリメイクした結果、なんか無難な作品が出来上がった的なな…

出所したばかりの男がなんやかんやあって探偵の真似なんぞする羽目になり、自殺した女が持っていたはずの500万を探してくれって依頼を受けるが…、って話

いまおかしんじといえば「苦役列車」の脚本の人ってイメージの人だが、個人的には山下敦弘監督でいまおかしんじ脚本の作品といえば「超能力研究部の3人」の不可思議な世界観が好み過ぎて堪らんかったわけですし
他にもいまおかしんじが脚本した作品といえばキチガイオカルト映画「華魂」シリーズが最高にカオスでトチ狂ってて印象深いですね
監督作でいえば「アンダーウォーター 女の河童」の異様過ぎる熱気にガクブルしたもんです
という下地があるからか、本作観て思ったんは、おや？普通の人情モノやな…
しかも似た系統だと城定監督の「デコトラギャル」シリーズといった大傑作を観てしまっているが故に評価が登り辛い

まぁこの全体に漂うユルさは監督の意図通りだろうし、人情モノとしてのユルさは味にはなっていたと思うが、探偵モノとしてのユルさは中途半端で割とヘビーな事件をライトに描き過ぎて消化不良でした
どうせなら迷い犬探しくらいの事件で良かったんちゃうか？的なな

良い点もある、ヒロイン、主人公の元カノ役の女優さんがキレイ、しかも凄く魅力的なヒロイン
もう1点ある、事件の発端である自殺した女役の松本妃代ちゃんがキレイ、誰からも嫌われる性格ひん曲がった女役だけどニャンコロと戯れる姿からはとても想像できなかった、動物好きに悪い子はいない！
もう1点だけある、もう1人のヒロイン、競輪を愛して止まない女？役の女優さん？が良いキャラしてた、パンツ見せんな見せんな！なったけど良いキャラしてた
うん、明らかに女性陣に救われた作品でしたね

いまおかしんじ作品…実は本作よりも「夫がツチノコに殺されました。」が観たかったんやけどリリースされないかなぁ？
河童があれだけ滅茶苦茶な作品やったからツチノコも期待できるはず！
まぁ河童は滅茶苦茶なだけで糞おもんなかったけどな…

ロバート・クレイマーに削られまくったその身にはちょうどいい塩加減、ご存知アルトマンの名作『ロング・グッドバイ』にオマージュを捧げた「は〜どぼいるど探偵物語（笑）」。マッチは使ってなかったけどタバコぷかぷか、猫にゃーにゃー、猫かわいいよ猫、なんか随分と親しみのある雰囲気を感じさせるなと思ったらトークショーでその正体がはっきりした。そう、この映画は『男はつらいよ』なのだ、寅さんなのだ。出産を控える種違いの妹はさくらに、オカマへと華麗な転身を遂げた生き別れた父親はミヤコ蝶々に乗っかっているとのこと、どうりで。フリースの上にスーツを纏い足元はなぜかテニスシューズ、そんな出で立ちのクリちゃんこと古井探偵が消えた500万の行方を追うストーリー、当然事件は二転三転してくわけだけど、元カノにHIVを移されたため免疫力が普通の人間の100分の1、って事でとにかく劇中ゲロばっか吐いてる。途中重要参考人を釣り堀でとっちめるシーンがあるんだけど、あの釣り堀一時期超行きつけでした、あそこは鯉の他にチョウザメとナマズが釣れます。本家アルトマンに負けず劣らずの変人祭り、おっぱいが出てこなかったのは残念だけど、手塚真生さんの白衣に網タイツとパツパツのパンツルックはなかなかエロい。傑作だ！とは正直言い難いけどこれ続編やりそうな？気がする？だったら観に行きたいレベルの作品ではある。関係ないけど終わった後いまおか監督と並んで小便できてなんか嬉しかった。