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X-MEN:ダーク・フェニックスのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

X-MEN:ダーク・フェニックス(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

『アポカリプス』の続編で、9年後。『ファースト』が1962年、『パスト』が1973年、『アポカリプス』が1983年で、本作は1992年が舞台となる。

宇宙での任務で太陽フレアを浴びたジーンがダーク・フェニックスとなるストーリーで、元の時間軸の『ファイナル ディシジョン』に近い。
仲間の闇堕ち・離脱ということで終始暗く、『パスト』、『アポカリプス』が嘘のようにギスギスしている。
プロフェッサーは「元の時間軸のようなミュータント差別を生まないようスーパーヒーローとして振る舞う」という目標を掲げるが、ジーンが警察を攻撃して台無しになるし、シリーズで描かれてきたミュータントの立ち位置が適当。

ジーンと対立するのかと思いきや、メインはジーンを救うプロフェッサー・サイクロップスらとマグニートー・ハンクらの対決と、二つの勢力と人間との戦いで、敵対する葛藤みたいなものもない。おまけに『ファイナル』のようにジーンの内側に問題があるのではなくダーク・フェニックスの力が異星人のものなので、克服にドラマも生まれない。
クライマックスの異星人の集団との列車戦は面白く、閉鎖空間での能力の使い方も楽しい。しかし「列車戦」というもの自体が中盤でやるアクションであって、アクションとしての格が足りてない。

つまらなくはないが、一本の映画としても完結編としても、『フューチャー&パスト』で描けなかった部分を蛇足でありながら『アポカリプス』で完結させ、シリーズの範疇を超えて“終わ”らせた『ローガン』の二作で綺麗に終わっているのに、本作を作った意義がない。
ラストは(元タイムラインでウルヴァリンが合流するまで11年〜『フューチャー&パスト』ラストまでさらに20年の猶予があるとはいえ)『フューチャー&パスト』に繋がらないし、そういったファンサービスがあるわけでもない。