ぱきら

ミスミソウのぱきらのレビュー・感想・評価

ミスミソウ(2017年製作の映画)
1.6
演者の熱演に加点させてもらいました。ヒロインもその近くにいて親切げなのだが秘密を持っている男子も、体当たり感のある演技でした。

が、基本的にはやはり漫画の実写化はどう考えても止めてほしい。

原作漫画は話題になっていた時にあらすじを聞いただけでも無理でしかなかったので、未読です。それでもやはり漫画と実写作品は別の表現なのだから実写化は止めてほしいとしか思えませんでした。
特にこういう残酷な描写は漫画だからこそ成立したり読者も見ていられる部分はあるので、実写で残酷な描写をしたいなら実写にふさわしいオリジナル脚本と企画でお願いしたい。
未成年や若い年齢の人を使うような内容ならば、尚一層、漫画と実写はごっちゃにしないでほしい。

また真っ白に降り積もった雪のなかでの凶行と血の惨劇という、映像ならではのビジュアルイメージは結構なんですが、そこに至るまでが結局なんなんみたいな。
原作でもそうなんでしょうか。

物語が始まる以前の部分が薄いというかなので、登場人物の行動や物語自体に深みは感じられません。
そういう話ではないのかもしれませんが。
何の波風も問題もない家庭に降りかかった、あまりに短絡的で許しがたい幼稚な暴力と殺人も、登場人物やその背景の描き方が薄いので、凶行だけ描きたかったようにしか見えませんでした。

それならやはり何度も繰り返しますが、好き嫌いなどは別にして漫画ならあり得る描写や展開でも、それを実写にすべきかは別にちゃんと考えるべきです。なのにもう誰も日本映画界やその周辺に群がる利権関係などは、そんなことが出来る状態に無いのでしょうとまた思いました。

美しいヒロインに群がる男子たちが、一見おかしくなさそうな人物でも一番それがやばかったり、のあたりが描かれていたのはとても良かった。
こういう描写がある作品というのはごく少ないので、原作もそうならそこだけは確認したくもあります。
一般的に美しく若いというととにかく得ばかりなどと言われがちですが、実際はリアルでも誰にも公平に優しく容姿も良いなどとなると、勘違いまでどうしても引き寄せて逆恨みからの被害までありえるわけで。
それは現実の事件にも見られることです。
そういう現象が描かれているのは良かった。
そこも映画のというより原作の美点なのかもしれませんが。
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