TAK44マグナム

ディープインセクトのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ディープインセクト(2015年製作の映画)
3.6
美女と宇宙昆虫!


「ディープインパクト」とは何の関係もないモンスターパニック映画。


けったいな生き物たちが喰い殺しあう(生き物のデザインや動きが素晴らしすぎる!)、殺伐とした「スターシップトルーパーズ」みたいな惑星から、オナラ隕石に乗って地球に飛来したのは凶暴な巨大昆虫怪獣「インセクチュラ」であった!
名前からして蜘蛛怪獣かと思ったら羽根の生えた蚊トンボみたいだったインセクチュラは、美女を襲ったり、旅客機やアパッチ攻撃ヘリを撃墜したりとやりたい放題に大暴れ!
アメリカ軍も歯が立たない無敵のインセクチュラに、いま一人のチョビヒゲが挑む!


数多ある、ビジネスライクで量産されたB級モンスター映画とは一線を画し、本作には確固たるコンセプトがあります。
それは、「50年代〜70年代の怪獣映画へオマージュを捧げまくる」というコンセプトです。
そんななので、画も音楽もやたらとレトロ。
変態博士の「タクシードライバー」ごっこやら、やたら格好つけた男が意味もなく自爆するような、ものすごくどうでもよい場面が突如として挿入されたり、お話が驚くぐらい単純至極で分かりやすかったり、コマ撮りみたいなクリーチャー達のカクカクした動きなど、あの頃の雰囲気をバッチリと再現しちゃっております。
モノクロでもイケそうですが、なんともいえないサイケな風味を感じるにはカラーの方が合っているのかもしれません。
メインタイトルの出方やエンドロールが素敵すぎて、そこだけなら100点満点。


インセクチュラの来襲に絡む主な登場人物は3人。

主人公のチョビヒゲ捜査官は、恋人(「私、陽性だったわ」「・・・陽性か」の会話は何だったのか?)を首チョンパされ、相棒の美女はオケツに特大カンチョーされ、その復讐に燃えますが基本的に悩んでばかり。
だがしかし、ラストでは漢になります!

インセクチュラを人類を救済する存在だと研究する変態生物博士は、人類を淘汰することこそが地球を救うと信じて疑わない危険人物なのに、FBIが検死官として雇っています。
チョビヒゲの恋人の生首をぐちゃぐちゃに解剖したり、インセクチュラの赤ちゃんを育てたり、美人助手を下着姿にひん剥いたりと、この手の映画には無くてはならない人物。

もう一人は、変態博士の美人助手で、脇役かと思ったら後半になって主にエロ関係で活躍します。
この人、本当にミスコン級の美女で驚き。
なんでこんな映画で下着姿になっているのか分かりませんが、人生いろいろって事ですかね。

その他にも、変態博士のせいで酷い目にあう美人姉妹や、変態博士に協力する改造人間のロボ、それから核攻撃するべきか否か悩んだりする軍の将校たちが登場しますが、どいつもこいつも薄っぺらくて最高です。


もう、本当にどうでもよい映画ではありますけれど、懐かしき怪獣映画やホラーをパロったと思われるカットがあったり、グロリンチョ関係が意外と良い方向にゲロってて侮れません。
抉り出される目ん玉や、インセクチュラの巣のグチャゲロ具合にウキウキしてしまいます。
いかにも作り物なプロップ、バレバレなCG処理・・・普通なら減点対象な部分も「昔の稚拙な怪獣映画を再現している」というエクスキューズによって全てが許されてしまうのです。
これは盲点!

作り手のセンス自体も悪くないので、奇跡的に上手くまとまった佳作。
大前提として、チープなのを楽しむべき映画であることをお忘れなきようお願い致します。


Gyao!にて