日向日向

劇場版 幼女戦記の日向日向のネタバレレビュー・内容・結末

劇場版 幼女戦記(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

yapaaaaa!!!!!


異世界転生としての体裁を取っているが、実際は大国ロシアと多国籍軍を相手取った戦争映画に他ならない。
地をひしめくは1共産主義者、その数なんと10個師団以上。空には爆撃機、戦闘機多数。そして新米とはいえ優秀な魔導師が多数在籍する多国籍軍が今回のターニャ・デクレチャフの相手である。
よくまとめたな、この内容で。

冒頭、陽動としての意味合いが強い首都攻撃作戦にて敵国の首都にて自国の旗を立て、政治的要所を破壊し尽くしただけに飽き足らず、国家を高らかに斉唱するというターニャ達帝国軍の過度な挑発を行なった。それにガチ切れした国こそが広大な土地と人民を持つロシア(今作ではロシアとは明言されずに連邦帝国だけだが)である。損失を顧みない圧倒的な包囲戦が今作の見ものだぞ!

いやほんとすごい、冒頭5分の段階で映画館を揺らすほどの発砲音、爆発音、息つく間のない攻防戦。原画を各班で100人単位で動員しているだけはある。僕がこれほど音響に感銘を受けたのはガールズ&パンツァーの劇場版を爆音上映で観て以来だ。
その分、会議のシーンや談話のシーンの作画がだいぶん危なかったが、あの戦闘シーンだけでも十分に挽回できる仕上がりだ。

加えて、同志・悠木碧の怪演は最早狂気の領域だ。元より仮面ライダー555にて子役として出演していた経緯もあって演技力には定評があったが、今回は特にその経験が目立つ驚異的な演技を随所で見せてくれる。そしてそれに呼応するように熱のこもったターニャの誇張された表情が最高なベストマッチ模様を見せている。
終盤のメアリーとの生身の決戦は製作陣の魂を感じた。市街戦という、遮蔽物が渦巻く場所を惜しみなく破壊しながら展開される光景は最早感動さえも覚える。
なによりも評価したいのは、ターニャ側が圧倒的にスペックとしても不利であるのに経験で相手を制するというのが素晴らしい。昨今の強いだけが売りの異世界転生モノにも是非見習ってほしいものだ。

やはり、映画館で観て欲しい作品だ。
優れた音源で聞けるならばなおのこといい。爆音上映をしてくれないか、と思うばかりだ。
日向日向

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