面白かったです。
疲れている時にボーッと観ても楽しめる作品だと思います。
ただ、中田秀夫監督ならもっとゾクゾクさせてくれるような作品にも出来たのではないかなぁ…というのが率直な感想です。
実際にこの作品程のスマホの悪用はまだまだ難しいのかと思いますが、数年先には現実になってしまうかもしれない、なんてあえてフィクションをミステリーの世界まで落とし込むとより面白くなってきますが、役者さん達の熱演が濃すぎてかえってストーリー性よりもそちらの方が気になってしまいます。
どうしてもスマホを握ったままの演技が中心になってしまうため、表情の作り方や心理的な部分を表現したりするのも過剰にならざるを得ません。
はて、このシーンは何番目に撮影されたのだろう？と、興味は制作側に移ってしまうほど、時系列に恐怖が増してくる感じになっていない部分は残念でしたが、やはりかなり難しいのでしょうね。
その点をしっかりチェックしてあげるのが監督さんの仕事のはずなのに…、なんて考えているうちは映画を楽しめていませんでしたね。いやいや、それぐらい北川景子さんや田中圭さんは難しい演技を求められていましたよ。
一方で、この映画のキーマンとなる成田凌さんや千葉雄大さんのような針が振り切れた役を演じるのはそんなに大変ではなかったでしょうね。
終始普段の自分とは全くちがうものになっていればいいのですから。
とは言え、皆さん熱演していましたよ。
そこにばかり目がいってしまうので、あまり前のめりで集中しない時に観ることがオススメです。
幽霊やオカルトのないホラーといった作品です。つまりはこの世で最も怖いのは人間ですよ、と親切に伝えてくれる娯楽映画です。
