月うさぎ

ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールドの月うさぎのレビュー・感想・評価

4.1
Concert for Georgeの映画を観て、本作を観直したくなりました。幸いBDを所有。
この2作は一緒に観た方がいいですよ。
登場するメンバーの多くは共通ですし、コンサートでは関係性がわからなかった人も本作で情報が得られたり、何より歌詞の訳がついている🎵
ジョージの曲はどれも彼自身の心情や思考を反映しているので、意味がわかった方が断然いいのです。

ジョージ・ハリスンの一生を時系列に多角的にダイジェストにしたドキュメンタリー映画
本人の映像も語りもふんだんに入ってます。
彼と親しかった大勢の人達のインタビューはどれも好意的で、すごかった偉かったではなく、好きだった気持ちが全面に出ている。
みんないい人ばかり。
ジョージを語る時、友人の多さと人脈の広さは欠かせない。
でも一方でごく親しい人ほど口にするのは彼の「二面性」
ジョージ自身も自覚があって、「Pisces Fish」という曲の中で
I'm a living proof of all life's contradictions
(contradictionは矛盾)
と歌っている。

リンゴは彼の二面性を「極端に異なる面」と表現している。
愛に溢れた顔と怒りだという。
ポールもジョージには「雄々しい部分」があると…
これは…意味深だ…やばくないか?
オノ・ヨーコは
とても優しい面と時に正直すぎる面があると語る
率直(フランク)すぎる→考えずに正論を言ってしまう→言葉がキツくなる→傷ついた 
…ジョンの暴言より酷くないと思うけど😅

ドイツ時代10代のジョージを知るクラウス・フォアマンも
「ジョージは極端な性格(extreme character)だった」と

コンサート・フォー・ジョージの中でクラプトンも言ってたっけ
天邪鬼。魚座だからとか(笑)

そんな中で、ドイツ時代のビートルズのミューズだったアストリッドは、彼をso sweetと表現していた
彼女の視線は的確で愛があります。
アストリッド、大好きでした。
彼女も亡くなってしまって、もう話を聞けないのが寂しいです。

クラプトンのインタビューは直接的で面白すぎ
「音楽や人間性から何かが生まれた
僕らの好みもよく似ていた
ありきたりだが車や洋服
もちろん女性に関しても」

パティとの話とか、いいのかそんな事まで喋って。みたいな😆

家族のような親密な世界で最も成功したバンドに属し、膨大な友人を持っているジョージ。誰とでも付き合う男だったそうだ。

似ている部分がありながら環境的には真逆な点が、互いを羨む同士の関係になった。
「僕が一匹狼だから気に入ったのかも」と、クラプトン。
彼はジョージをアーサー王、自分をランスロットに例えていた
面白い。イギリス人は教養をサラッと出してこれるところがすごい。

"直接感じるまでは何も信じてはならぬ"
「初めて納得できる言葉に出会えた」
これがジョージの思想の出発点
権威を無批判に鵜呑みにしない。
じっと見つめ心で聴く。
サウンドの追求も全く同じ行為なのでしょう
ゼロから立ち上がる音楽のシェイプや響き

サラッと聞き流さずに「音」に耳を傾けてみれば、ジョージの曲の美しさに気づくはず。

彼のソロ曲はサウンド的にビートルズに一番近い。
手間暇かけ放題でゼロからの音作り。
そして仲間との共同作業を愛する事。
ビートルズを離れても彼だけはビートルズのやり方で音楽を紡いでいたのだから。

妻のオリビアさんの言葉が今ではより理解できるようになっていました
夫婦円満の秘訣は?
「離婚しない事」
彼らは乗り越えてその先の地平にたどり着いた
ジョージの死に対する備えの立派さを讃え
彼の魂を確認したと言う

ジョンだったか、ジョージは本当に神様を愛しているんだと言っていたっけ。
大好きな神様に逢えましたか?
彼の事だ。持ち前の人懐こさで仲良くしているのではないかしら?

全ての有名人や偉人の中で、私はやはり未だにGeorge Harrisonが一番好きなのだな。と理解した。

My Sweet George
I really wanna see you
月うさぎ

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