前にも観たけど、やっぱりすごい映画。うわぁ、って、ずしってなる。貧困で、いろんな意味で弱い立場のアーサーが、もうどうにでもなれというどん底まで落ちきって、全てを破壊して、ジョーカーになる、というのが大まかな話。母親だと思ってた人が自分をこうさせた元凶であり、いちばん責めるべきは母親だったと知った時の絶望感たるや、アパートで出会った素敵な女の人との関係は全て妄想だったと突きつけられた時の自己嫌悪感と虚しさたるや、もう目も当てられないほどの絶望感。救ってくれる社会的なシステムが無ければ、心に余裕が無くなってしまう人がいわゆる犯罪を犯してしまう。よく、社会的に弱い立場の人が引き起こした犯罪は、した事そのものももちろん罪に問われるべきだけど、犯罪を犯さなければならなかった当人の理由を知ってそれを解決しないといけない的な意見を聞くけど、確かになあと、これを観てると思う。アーサーの場合、社会福祉的な助けがあったとしても、絶対に手放しで社会で生きていけるわけがない生い立ちと障がいと精神なので、それはこうなってしまうかも、と思う。私も、もうどうにでもなれ！って時あるけど、その気持ちを最大限に引き出した場合の人間の恐ろしさを知ってゾワゾワしてる。
バットマン要素は初見の時ほんまに意味わからんかったけど、知った今ではめちゃくちゃ良いシーン。こんな過去があったのね。
あとなんせ、ホアキンフェニックスはあんなにも痩せていたことに驚き。人ってあそこまでやつれられるのか。ダイエットとかそんなレベルではない、骨の構造まで違って見えた。肩甲骨見え過ぎ。
