あまりにも評価や影響が大きかったため、少し見るのを躊躇していたのだが、ようやく見てみることにした。やはり少し期待しすぎていたようだ。
『タクシードライバー』の後釜じゃないか、と思う。奇抜な格好と、アンチヒーローに対する憧れはどちらも共通している。
ホアキンフェニックスの演技は言うまでもなく素晴らしい、彼を見るとどうしても兄の顔が浮かび、やはり血は無視できないなと思う。
しかし、彼の吐くセリフの一つ一つが説教くさく聞こえるのはどうしてか。「現代風刺」すぎないか。どこかで聞いたことありそうな心情を、直接的にセリフにしたのが悪かったのか。特にテレビに出演した時のセリフは直接的すぎる。隠されるべきだとは言わないが、あそこまで大々的にやられるとこちらも興醒めしてしまう。彼の変人じみた演技が良かっただけに、そこが残念だ。