エブリデイねむろう

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのエブリデイねむろうのレビュー・感想・評価

4.0
1974年に販売された同名ファンタジー・テーブルトークRPGを原作とする長編実写映画。
監督・脚本:ジョン・フランシス・デイリー、ジョナサン・ゴールドスタイン

盗賊エドガンと相棒の戦士ホルガ。
ある目的のために脱獄するが昔の仲間の裏切りを知る。
愛娘を取り戻すためエドガンは仲間をあつめ冒険に出るのだった。

「ダンジョン&ドラゴンズ」(以下D&D)といえば、ファミコンが出る少し前のゲームファンならまず知らない人はいない不朽の名作TRPG。
「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」の元ネタになった作品の一つ、と聞けばひょっとするとそのすごさが伝わる人もいるかもしれない。

そんなD&Dの世界を舞台に破天荒なキャラクターたちが暴れまくるファンタジー・アクション・コメディ映画。
率直な感想として、めちゃくちゃおもしろい。
定番の物語、定番のギャグ。
これらを抜群のテンポで繋ぎあわせて観客を映画の世界に引きずりこんでいく。

死者を蘇らせる一連のシーンめっちゃすき。

本作においては、とにかく主人公のエドガンがすばらしい。
決めるところで決められない、頼りになりそうでならない危ういバランス。
そこをキザったらしいイケメンスキルだけで乗り越えていく感じ。
いかにもアメリカ人好きのする、きわめて魅力的な3枚目に仕上がってる。

D&Dについて細かなルールなどはよく知らないのだが、ルールを知っていればニヤニヤできるのであろう演出がこれでもかと盛り込まれている。
ダンジョンに潜って最奥にいるドラゴンを倒し、お宝を奪取する。
それに付随する魔法や戦闘についての様々なルールやキャラクターに設定される"秩序を守るタイプ・やぶるタイプ"の属性など、ゲームの特徴を咀嚼して映画の世界にうまく落とし込んでいる。
(監督・脚本家がどちらもD&Dのファンなのだろう)
洞窟のなかで魔法の通路をつくるシーンはValve社の「PORTAL」っぽい。

声を伝える魔法の石がハウリングしたり、幻影がバグって通信状態の悪いSkypeみたいになったりするのめっちゃすき。
最後は完全にメイズランナーだけどね。
そしてミミックが弱すぎる。

全体として、とにかくよくできたファンタジームービー。
娘を取り返したあとの展開もおもしろい。
ラストの怪獣バトルはもっと見たかった。
ラスボスが可哀想なくらいボコボコにされるとこもだいすき。

最後のオチもフリが効いてて最高ですよ。

D&Dとか関係なく普通におもろいファンタジー・コメディ。

2024ー旧005