睡魔子

ラストナイト・イン・ソーホーの睡魔子のネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

サンディに殺された男達が、「助けてくれ」「あの女を殺せ」「私たちのために」とエリーにすがりついて来た時に、エリーが決然と「No!」と言い放ったのが、私には何より衝撃だった。
あんな目にあいながらも、エリーは最後までサンディの理解者であろうとし、サンディを性的に搾取し続けた男達の味方には決してならないのだ。

劇中、エリーがサンディを抱き締めるシーンは2回あるけれど、ラストのハグには特に心を鷲掴みされた。
あなたが望んだわけじゃない。
あなたが彼らを許さないように、私も彼らを許さない。
そんなエリーの声が、聞こえて来るようだった。

映画冒頭では田舎から出てきたばかりでオドオドしていたエリーの、どこにこんな強さがあったのだろう。
2人がシンクロしていたことを思えば、少なからずサンディから影響を受けたのかもしれない。

1960年代の負の側面、性暴力といった、デリケートな題材と真正面から向き合いながら、ホラー、スリラー、怒涛のどんでん返しを堪能できる作品なんて、そうそうないのでは?

エドガー・ライト監督の代表作の中では「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ」が大好きだったけど、個人的にはそれらを超えるくらい、忘れ難い作品に出会えた気がします!
睡魔子

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