このレビューはネタバレを含みます
寄生の裏に隠された真実。
本作は大富豪パク家に寄生するキム一家を描いた作品。パク家で元々雇っていた家庭教師、運転手、家政婦の地位を奪い、続々と寄生していくキム一家。身分を偽り、演技力を鍛え、輝かしい経歴を演出して大富豪パク家に歩み寄っていく。しかし、そんな偽りの日々は長くは続かない。誠実さを欠いた行動を取ればどこかで代償を払うことになるのだろう。物語中盤、順調に進んでいたかに見えたパク家の計画に暗雲が立ち籠める。いや、元々計画など無かったのかもしれない。ともかく、パク家に寄生するのはキム一家だけでは無かったのだ。その意外なる真実に翻弄されるキム家。巻き込まれるパク家。片足を突っ込むだけのつもりだったキム一家は、その寄生生活から逃れることの出来ない存在に…
常に偽りの存在を演じ続けたギウは、上記の大事件が発生した後も現実と虚構の区別がつかなくなる。身近な人間の死を経験しても、自らが追い込まれても、それが誰かの作り出したストーリーだと思いこむ。しかし、物語の終盤全てが真実だった事を知る。そこで初めて、ギウは全うに生きることを誓うのだ。
本作を見た僕たちは、大失態を犯す前に誠実に行動することが出来る。誰かの利益を奪い取るのではなく、自らが誰かの役に立つ存在になろう。そう思える映画でした。
