Laura

パラサイト 半地下の家族のLauraのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.5
ポン・ジュノ監督の名前を初めて聞いたのは、10年ほど前にあるシナリオ座学の講座に参加した時のことだった。講師が『殺人の追憶』を挙げて良くできたシナリオのお手本だと激賞していたのだ。それから5年ほど経って、その知る人ぞ知る監督が世界的な評価を得たことを知った(殺人の追憶のほうは現在に至るまで観ることができていないのだが)。

構成に無駄がない。社会階級の高低を高台の高級住宅と半地下の家という設定にそのまま仮託し、この上下構造のなかで物語は展開する。階段、地下室、トイレ、インディアンごっこのコスプレ、そして体臭。あらゆるディテールが「上(中)下」を暗示する。韓国のボーイスカウトや南北朝鮮間の確執の歴史についてももっと知らない限り、この作品に託された韓国社会への告発の真意をくまなく理解することは難しいだろう。

カンヌのパルムドールと米国アカデミーの作品賞を同時に受賞するというのは歴史的にも珍しいが、鑑賞前に期待を高めすぎてしまったかも。パルムドール好みなのはよく分かるが、アカデミー賞も獲っているのは意外。
Laura

Laura