【Séaのレビュー】
2020/11/08 22:23
"あなたが私を見ている時、私は何を?"
"あなたを知ったから"
"私も変わりました"
今年最高傑作!!!
(Filmarksの 'マイベストムービー' 欄が久々に更新されました)
2回目も最高だったなぁ…
【STORY】
親に決められた結婚を控えた女性エロイーズと、彼女を描くよう依頼された肖像画家のマリアンヌ。
結婚への抵抗から前の画家に顔を一切見せなかったエロイーズの顔を見るため、マリアンヌは画家の身分を隠して親しくなっていくが…
【一言まとめ】
●美し過ぎる映画
●絵画のようで詩のようで文学のよう
●綿密に紡がれる要素と暖炉の音が心地良い
【感想】
《東京国際映画祭⑩》
《セリーヌ・シアマ監督3貫》3貫目
東京国際映画祭最終日にして、最高の傑作を観れたことに感謝です…!
とにかく全てが美しい映画でした。
アデル・エネルは失望と怒りと生まれ持った優美さを兼ね備えた女性の力強くも儚くも見える美しさを見事に見せてくれますし、マリアンヌ役のノエミ・メルランも可憐さと堂々とした美しさを併せ持った本当に素敵な方ですね…横顔の完璧さが凄かったです。
衣装や海辺の風景、祭りの夜も、ビジュアルが全て美しい…惚れ惚れします。
"絵画のような映画" "詩的な映画" などという表現はよく聞きますが、今作は本当に、絵画のようでもあり、詩のようでも文学のようでもあり、本当に全てを合わせたような、芸術性の塊みたいに感じました。
サントラを一切使わず、映像内で鳴っている音楽や歌以外にメロディがない写実的な描き方をしていたのに、ここまで芸術的でドラマチックな作品になるって本当に物凄いと思います…!
花と刺繍、オルフェの話、そして "火"。様々な要素が物語や表現に綿密に繋がっていくのは映画としてとても心地良かったです。
心地良いといえば、暖炉の音がかなりフィーチャーされていて終始パチパチ心地良かったです☺️
表情が良くなるほどに…という切なさにやられました。