HirokiYamashita

燃ゆる女の肖像のHirokiYamashitaのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.2
世界中で称賛の嵐ということで視聴。
感性をフル活用して血眼で観ないと置いてかれるフランス映画らしいストーリー。久々に全集中で鑑賞した。

ただ…。
見る/見られる関係という主題を冒頭の細かい暗示や演出から読み取ると、最後まで心は鷲掴みされる。
LGBTの映画としてカテゴライズするのは勿体無く、あくまで視線の権力性をフラットにするために同性、それも女性愛にするべき必然性があったとも考えられる。ほぼ最後の方まで男性の存在を徹底的に消してることもさすが。性差による視覚性を可能な限り排除してる。

オルフェウスの神話や近代フランスにおける女流画家の社会的立場などの前提知識があれば更に没入できる。

あるレビューで、「芸術の素晴らしさがこの映画を見て自分に入ってきた」というコメントを見た。言い得て妙だと思った。この監督の意図を完全に理解できた!と感じられる喜びは凄まじいものだろう。
自分も色々勉強してからいつの日かこの映画をもう一度見てみたい!