Frapenta

ラ・ジュテのFrapentaのレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
4.0
「12モンキーズ」を製作する上で今作を参考にしたのは明白だろう。

全編が静止画の切り貼りのような実録的な映像によって、それがあたかも実際に起きたかのような緊迫感をもたらす。これまでこういった映像群を観たことがなかったが、ちゃんと面白く感じた。短編ならではの自由度を活かした効果的な試みのように思える。

「思い出す」という行為は脳に焼き付けられた画像を再生するようなもので、この静止画の切り貼りという演出は意識をあらゆる時代に送り出し「思い出させる」物語として本質を突いていると思った。女性のカットにはその人となりを知らないはずなのに哀愁を感じてしまう。そもそもの構図の上手さも合わさり、静止画マジックが効いていた。

新鮮な映画で面白かった。
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