チュフ

すばらしき世界のチュフのネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

三上はある人にとっては殺人犯であり。ある人にとっては取材対象であり、ある人にとっては隣人であり、友人であり、父親であり、兄弟であり、息子である。

嵐の前に訪れた死は殺人犯としての三上の最期に相応しいものだったと思うけど、更生に向かい始めた男の最期としては遣る瀬ない物になった。

嵐の過ぎた世界で、居なくなった人間は三上一人。だけれども、三上を失った人間は彼が触れ合って来た人の分存在するのだと思う。私にとっての三上は誰かにとっての彼とは異なり、誰かにとっての三上は私にとっての彼とは異なる。そういう想像力を持てたら、すばらしき世界に少しは近付くのかもしれない。
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