泣いたり踊ったり

白い暴動の泣いたり踊ったりのレビュー・感想・評価

白い暴動(2019年製作の映画)
3.8
1970年代の景気の悪いイギリスの風景、政治、若者の雰囲気なんかが今の日本とかなり似ていて、他人事とは思えない。かと言って日本がこんな動きやカルチャーを作れるかと言ったら違う気もする、イギリスならではだと感じる。

CLASHって何がいいのか音源を聞いても全然分からなかったけど、散々時代背景を追った最後の最後に出てくる「白い暴動」がめちゃくちゃ格好よくてやっと掴めた気がした。彼らがこの後に黒人音楽としてのレゲエに接近してゆく理由も結構すんなり分かる。

当時の排他的な移民差別、イギリス国内で右翼的な動きを見せていた過激な政治団体がナチスと呼ばれていたこと、彼らの支持者がハーケンクロイツを身にまとっていたこと、ジョニーロットンの発言なんかも踏まえると、ピストルズはファッショナブルだけど正直ダサい。シド・ヴィシャスがハーケンクロイツのTシャツを着ていた時代背景も何となく理解が出来た。

右翼団体に特に賛同していたエリック・クラプトン、ロッド・スチュワートは一体何なんだろう。海外公演もやるビッグネームなのに公的な場でそんな発言して馬鹿なのか?

デビッド・ボウイに至っては発言ひとつ切り取られただけだから真意不明ではあるけれど、72年に出したあの名盤と正反対の主張だったからファンとして正直戸惑っている。