緑青

必殺! 恐竜神父の緑青のレビュー・感想・評価

必殺! 恐竜神父(2018年製作の映画)
3.2
フォロワーさんに唆されて観た。観ている間中突っ込んでたし笑ったし最高におもしろかったがこんなのが許されるのは一度きりやぞ(半ギレ)みたいな気持ちにもなった。観終わった後謎のムカつきがある。
この手の低予算やりたい放題映画は『ウィジャ・シャーク』とか『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』(こちらは名作)くらいしか視聴経験がないのでなんとも言えないのだが、この『恐竜神父』にはどこまで自覚的でどこまで無自覚なのか分からない恐ろしさがある。全部がメタ的なのだとすると「ここは本気でイケてると思ってやってます」みたいな欲が時々中途半端に見えるし、全部本気でやってるとするとロゴの使い方とかパロディとかにちょっと観客の視聴経験への甘えがあって許せない気持ちになる。全体的に芝居もうまくてすごくおもしろいが、これで笑ってる自分にムカついてくる。音楽をかけながら可愛い女の子とイチャイチャし背景に回想画面が出るところで一度「ムカつく…!」と口に出してしまった、本当にすみませんでした。あと一番嫌なのは神父の衣装(カソック)が明らかに安物で、襟の部分がゴムでできており、それがめっちゃ汚いしほつれていることで、かなり顔のアップが多い映画だし、目立って仕方がなくて本当にイライラした。恐竜が「本物」でないことなんか当然なので多少完成度が低かろうが別に何も感じはしないのだが、カソックがきったないのは作り手の怠惰を感じて発狂しそうだった。あと誠心誠意チャイナにあやまってくれ。チャイニーズ・ニンジャというものは根本的に存在しないんだ。広東語のおじさんは少林拳は出来るかもだが忍術は使えないと思う。あとチャイニーズ・ニンジャに普通に韓国語使う人が出てきたのは流石に笑った。逆に日本人がいないのが意図に思えてくる。なんやねん。

ただ、なんかところどころで「あなたそれアメリカに居られなくなるのでは」みたいなキリスト教関係の攻めた台詞があってちょっとドキドキした。これを意図してやってるなら作者は相当肝が強い。いやでも監督の名前を覚える。映画好きの人たちで集まって年にいっぺん観るなら大盛り上がりだと思います。
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