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ペルシャン・レッスン 戦場の教室のoliveのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

これほどの内容だとは思わなかった、これほど重くただただ苦しい映画だとは。見てしまって打ちひしがれている、戦争の悲惨さを描いた作品は数多あるけれど戦場で戦う場面よりより深くその悲惨さを痛切にこちらの胸をえぐるようにこれでもかと揺さぶってくる、映画として素晴らしいのだけれどまぁひたすら辛い。
同胞が次々殺されて一人生き残ったとしてそれでどうなのかとは思ったけど理屈ではなく本能なんだと、同胞を思って自分を命がけで助けてくれた恩人の弟の為に覚悟を決めたのにそれを叶えることもできず。
ユダヤ人虐殺の話はどれも耐え難い苦痛を伴うけどこれ以上に表現されたものはないというのが今の感想だ。ただユダヤ人というだけで…。
この映画の凄みはそれだけに留まらす親衛隊大尉と彼の関係を最後には人対人として描きナチス・ドイツの大尉をただ憎しみの対象としてでなくその苦悩や哀れみを両立させた点だと思う。
犠牲者2840人の名前を一人一人淡々と言うラストシーンは映画として素晴らしい、そして重い重い暗鬱を残す。
これを感動と言っていいのか分からない、立ち上がれないほど傷んだ、何かすり減った感じだ。見終わった直後なので少し感情的だ。
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