睡魔子

パリの調香師 しあわせの香りを探しての睡魔子のレビュー・感想・評価

4.3
ギョーム「子供の頃、小さな丘の上に住んでたんです。土曜日には父を含めご近所中が草刈り。草刈り機の音が響いてた。特に覚えてるのは匂い。刈り取られた草の匂いです。好きだった。だから父を思い出すんです」
アンヌ「刈られた草は虫にたかられ、食べ尽くされる。だから防御として酵素を出す。自分を食べる虫を襲ってくれる虫を誘うために。その酵素が刈られた草の匂いの正体。殺し合いの香りよ」

調香師という特殊な仕事にフォーカスするだけでなく、ギョームとアンヌ、不器用な2人の距離が縮まり、良き相棒となっていく過程が丁寧に描かれていて良かったなぁ。不器用な2人がお互いの人生を引っ張り上げることに成功したのがとても嬉しい。
ギョームが交渉してアンヌの報酬を2倍に吊り上げ、きょとんとしているアンヌに「鼻しか利かないな」と皮肉をかました時から、こんなラストになればいいと願いながら観ていたので、納得のハッピーエンドでした
睡魔子

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