七色星団

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎の七色星団のレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
3.7
政財界を牛耳る一族の当主死去に端を発する家督相続争い。一癖二癖もある独特な登場人物たちの愛憎を絡めたストーリー展開という、70年代の横溝正史原作みが炸裂。
直撃世代の僕には興味のアンテナがビンビン。
ストーリー的には「まぁ、そうでしょうね」という、特段ひねりもなく最初から最後まで想定内の流れではあったけど、中盤のゲゲ郎VS裏鬼道衆のバトルは「呪術廻戦が始まった?」ってくらい激しいアクションで、グリグリ動くけど見やすくてテンション上がった。
バディ物っていう部分でもゲゲ郎と水木は中々良いコンビで、他の事件を解決する二人の姿をもっと見たかった気もする。

呪い、怨念、怨みetc…
やはりこういった因果を描く日本映画にはホッとするというか(ちょっと変なこと言ってるけど笑)、ただ化物が襲い来るだけの映画とは違う、背筋に冷たいものが走る怖さを感じるよね。

更に、現地での戦争体験者として描かれる主人公・水木の戦争に対する複雑な思い、そして戦地での地獄のような描写には、PG12というレイティングによる制限があるとは言え、水木しげる作品を描く限りは絶対にこういうのは外せない!という製作側の矜持はしっかり感じ取れる作りには好感しかないです。

兎にも角にも鑑賞中には伏線だの考察だのとゴチャゴチャ考える必要もなく、最初から最後まで単純に観て楽しめるってとこが良いよね。

ところで、ゲゲゲの鬼太郎が現在もアニメ化が続いていることくらいは知っている程度の鬼太郎にわかな僕。
本編冒頭に登場した鬼太郎と目玉のオヤジに懐かしさを感じたのも束の間、鬼太郎の隣にいる美女は誰?と思ったら…猫娘て!
今は見た目に猫成分ないのねー。

それと、テレビでやってる鬼太郎をイメージして劇場に小さなお子さんを連れて行った親御さんも結構いるのではないかな?
レイティングPG12は甘くない?ってくらい怖いシーンも多くビックリしたのだけど、観に行った子は夜眠れたかのなぁと心配したり。
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