ねこねここねこ

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のねこねここねこのネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

映画館で観たかったのに観れなかったからAmazonプライムで配信あって嬉しい😄

墓場鬼太郎の前日譚のような映画。
絵はかなり綺麗。

ミイラ男のような鬼太郎父はここでは鬼太郎の大人版で、なんていうか色気がある。
強くしなやか。そして妻への深い愛と子供が生まれてくるとわかってからはその子の生きる世界を守ろうとする父親の深い愛に思わず涙が😭

そして水木の人間臭さや次第に鬼太郎父と友情みたいなもので結ばれてゆく過程も、墓場で酒を酌み交わすシーンなども良かった。

水木しげるが自らの戦争体験で感じた怒りや悲しみ、絶望、それでも絶対這い上がって生きるんだという気持ちがところどころに投影されている作品。

一族の血のために近親姦の儀式を行うとか、ちょっと子供向けにしては厳しいと思うところもあるけど、その悲しみを背負った娘の情念が化物を呼んでしまう部分もよくわかる。きっと本当に水木に救って欲しかったのだろう。

水木が龍賀に会社をやると言われて「つまんねーな」とガツンとやるシーン、出世のために村にやって来た水木が、人として守るべきものを守る姿もよかった。

他の人も書いてるけど、全体的になんていうか犬神家の一族的な横溝正史の世界的な陰鬱さ、おどろおどろしさ、閉鎖的な村の生活、世界観。

ラストは鬼太郎や目玉親父の誕生が墓場鬼太郎へと続いてゆく。
鬼太郎をまた読み返したくなる作品。