コマミー

ラスト・クルーズのコマミーのレビュー・感想・評価

ラスト・クルーズ(2021年製作の映画)
3.7
【不安が渦巻く隔離】


※この度、本格的に"U-NEXT"に入会いたしました。料金の事もあるので躊躇っていたのですが、U-NEXTでしか観られない作品も沢山あるので、意を決して入会しました。早速、U-NEXTの見放題のラインナップを見ていたのですが、「そう言えば"HBO"の作品が観れるんだよな?」と思い、独占配信の一覧からHBOの作品を漁っていた所、こんな興味深い"ドキュメンタリー"を見つけました。




"2020年の1月"。思えばここから、日本にとっての"コロナ"との闘いが始まったように感じる。横浜港での"ダイヤモンド・プリンセス号"でのクラスターによる、"14日間に及ぶ船内隔離"だ。
ダイヤモンド・プリンセス号は、香港を出発し、ベトナム・台湾・沖縄……と渡航していた。そして、船が香港を出港してから13日目……感染確認。その数10人。その途端、14日間に及ぶ、閉鎖空間での闘いが始まったのだ。


まず、映像を提供してくれた当事者の方々に感謝しかない。辛い状況の中で、当事者たちが映像に残してくれた"船内のリアル"。
この頃はコロナの事について、半信半疑でもあり、しかも当然ながら知識もない。それゆえに発生する、“対応の浮き沈み"。乗客もスタッフも混乱の状態にあっただろう。だがそれにしてもスタッフの感染者への対応は、"ホラーに近い"ものだった。
突如いなくなる人、助かるか分からない不安、スタッフも乗客に疑いの目……。まさに"不毛地帯"状態。最後の最後まで、目が離せなかった。

「もし自分がそこにいたなら、どうなっていただろう?」……観る側もクルーズ船に閉じ込められた乗客の気持ちになって観ることができる、数少ない記録映画だった。
あれから2年、未だ迷走するコロナへの対策・救済措置…しかも最近では「サル痘」なんかも発見され、その因果性も追求している。

私達は、このクルーズ船での一連の地獄を通して、テレビのニュース映像を通して何を学ぶ事が出来たのか?


それは未だ、出口が見えずにいるのです。
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