コマミー

シティーハンターのコマミーのレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
3.9
【新宿の闇】





「シティーハンター」の"実写版"といえば、まずジャッキー・チェン主演で実写化された93年バージョンのもの、そしてクロスオーバー作品である「キャッツアイ」の実写版(97年。一応紹介しておく)。そしてその間にはなんと、日本と韓国で違う題名または役名でTVドラマ化もされている。そして、漫画の世界観を忠実に再現したフランスのコメディアンのフィリップ・ラショー主演・監督によるフランスでの実写版もかなり有名で、考えてみると「シティー・ハンター」は各国でかなり実写化されてる作品なのだなと感じた。それほど、この漫画やTVアニメが各国で人気である証拠だろう。

そして2024年…役作りが徹底している事で有名な日本のカメレオン俳優:"鈴木亮平"さん主演で、"新たな解釈"で作られた実写版が作られた。

率直な感想で言うと、中々良かった。やはりこれは鈴木亮平さんの"役作りの賜物"というか、個人的には「るろうに剣心」の実写版に匹敵するほど面白い実写化計画になったのかなと感じた。
まず、"アクション"が面白い。亮平さんはこれの為に、銃を使用する為の免許も取得したとの事で、何よりも"ガンアクション"が徹底したものになっていてとても良かった。"冴羽獠"の見事な銃さばきが、より人間味あふれる姿で甦らせたのである。
そして、不思議と声が"神谷明"さんに寄せてる所も面白かった。実は神谷さん自身もある役で出ているのだが、マジで吹き替えてるの?ってくらい亮平さんの声が神谷さんに似ていてここですらも、まさに冴羽獠って感じで驚いた。
あと、フランス版やジャッキー・チェン版と明らかに違うところは、"飾ることの無い人間らしさ"だろう。より冴羽らしい姿を徹底した結果、物語と共に味のある冴羽獠が誕生したと感じた。

フランス版は良くも悪くも、漫画とアニメーションの特徴を詰め込んだ実写版、そして今回の実写版は、より人間味あふれる冴羽獠と世界観を重視した実写版となっていた。
まぁ、それが「思ってたのと違った」と言われてしまう要素なのかもしれないし、フランス版のようなものを意識しすぎると玉に瑕である。しかし、そんな不安を鈴木亮平さんの役作りの徹底さが充分にカバーしてくれる作品になっていたと思うし、物語もかなり"新宿の闇の面"を表現したものになっていて見応え抜群だ。

できれば続編も作って欲しいし、あと鈴木亮平さんに海外デビューもしてほしいなと心から感じた。
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