鴉

劇場版 呪術廻戦 0の鴉のネタバレレビュー・内容・結末

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

大満足です!これで心置きなく年を越せそうです。
映画1本というTVアニメ1クールよりも短い尺の中で、コンパクト且つ最初から最後までしっかり乙骨の成長を描き切ったのがとても良かったです。

乙骨は最初は極度に引っ込み思案だったけれど、物語が進んでいく中でどんどん顔つきが変わっていくのが、はっきりと分かりました。
里香ちゃんを亡くしてからどん底だったけれど、それは他人を思いやる気持ちの裏返しなのかなと。
主人公の成長を描く作品はたくさんありますが、その中でもこれだけひしひしと主人公の成長を感じられる作品は稀有なのかなと思います。

最後の夏油と乙骨の戦いの中での乙骨の表情や感情は、仲間を傷つけられた怒りや悲しみが最大限に現れていて、とてもインパクトがありました。

乙骨は呪術のキャラクターの中でも、特段感情が豊かなキャラクターなんだなと感じました。そしてその乙骨の感情やアクションをあます事なくアニメーションや演技に反映させています。緒方さんの演技は乙骨の内向的な部分や友達思いな部分、そして戦闘の中での感情の爆発のさせ方が、とても乙骨に合っていると思いました。緒方さんの演技は、ぼそぼそしているところは本当に頼りなくてぼそぼそしてる感じが出てるし、必死なシーンの必死さには鬼気迫る感じがあって、そのダイナミクスが乙骨の人間性にマッチしていたんだと思います。

花澤さんの演技もトレイラーだと可愛い感じだったけれど、本編だと想像以上にどす黒くてびっくりしましたw

あと乙骨と真希が夕暮れの教室で話して、真希が照れ隠しで外に出るシーンも大好きです。真希もああいう顔するんだ~!ってなったし、ツンデレも良いなぁと思いました。

戦闘シーンではキャラクターの掛け声が少なかったというか数が少なかった?と思ったのですが、その分アニメーションに見入る事が出来たし、TVアニメ24話でもあった音楽とアニメーションの展開を同期させる演出があって、そこも好きでした。かっこいいシーンだけでなく、コミカルでギャグなシーンではコミカルな音をしっかり付けてて、そこも良かったです。
斬撃音など誇張を効かせる部分はありつつも、戦闘時の激しい音はしっかり馴染んでいて、自然と映画に集中出来て良かったです。アクションの派手さに劣らないインパクトのあるサウンドではあっても、映像にしっかり溶け込んでいる...作品の魅力を最大限に引き出すサウンドの役割ってこういう事なのかなぁと思いました


映画を観ながら、「こんなにアニメを面白いって思ったのはいつぶりだろう」と思うぐらいずっと見入ってましたし、今作で焦点のあったっている乙骨の感情の揺さぶりが観ている人の感情を存分に揺り動かすだろうなと思います。

続きもやると思う(多分)ので、続きのアニメ化も原作を読みながら待ちたいと思います。
面白かった!
鴉