ほほえみデブ

決戦は日曜日のほほえみデブのレビュー・感想・評価

決戦は日曜日(2022年製作の映画)
3.7
予告の段階では、よくある総理ものや選挙のドタバタあるあるコメディかなと。
いい意味で予想を裏切り、小ぶりで地味ながらも選挙のリアルがとても面白かった。
おるおるーああいう後援会の爺さんとか。
選挙に少し仕事で関わったことがあるので、ポスターのセンチこれ違うんじゃない?!が心臓に悪かったのとツボだった。実際こんなミスないと思うが。

何も知らない新米候補者が破天荒さで世の中斬って、何か知らんが大成功のスペクタクルとかではなく、基本は淡々としている。職業物としてもなかなか面白い。
魑魅魍魎の声の中の終わり方といい、全体的に何となく単館洋画風なアプローチかと個人的に思って結構好き。フルメタルジャケットの終わり方みたい。
邦画風なやたら大袈裟に泣いたり神妙すぎたりがないので物足りない人は多いかもしれない。これは好みかと。

あくまで淡々と習うより慣れろ精神で先を見て感情を無にして働く秘書軍団は、労働の基本を見た。
日々大変な仕事についてると、無駄に泣き叫んだり、大変です!我々を阻止する対抗者からの嫌がらせが!なにー!みたいな事やってたらエネルギーの無駄で、なるべく出力絞って不測の事態に備えようと思うもの。
あーそういうもんですーみたいなリアル。

海外ビジネス学んできた風な宮沢りえみたいな人もおるなと。悪い人じゃないけどくせ強めで派手で、ああいう人おるなと。

といいつつもコーヒーの味からの少しずつの意識の変化や、半沢直樹ほどドキドキしない内密行動のあれこれ、地味だけど面白く楽しめました。

映画のなかの彼らの未来がどんなことになってるのかと気になりながら。
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