木野エルゴ

MEMORIA メモリアの木野エルゴのレビュー・感想・評価

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)
1.9
時折、巨大なアスファルトのボールが金属の穴に落ちたような音が聞こえる。入院している妹を見舞いに行った病院で考古学者のアニエスと出会ったジェシカは、トンネルで発見された古代の人骨を見せてもらう。頭部に穴の空いた少女の骨。自分にしか聞こえない音を再現してもらおうと音響技師の青年エルナンを訪ねたジェシカは、拙い表現でなんとか音を再現してもらう。その後も響く音。退院した妹とのチグハグな会話。エルナンという青年は存在せず、ジェシカは混乱する。少女の骨が見つかった採掘所を訪ねたジェシカは、小さな村の川沿いで魚の鱗を取っていたエルナンという男に会う。


タイの監督アピチャッポン・ウィーラセクタンがイギリスの女優ティルダ・スウィントンを主役に据えてコロンビアで撮影した映画。

制作者は怒るだろうが、2倍速で見たらちょうど良かった。長回しでストーリーらしきものを感じさせないという点で石川寛監督の「tokyo.sora」に近いものを感じた。

そういえば、幻聴が聞こえる原因に「虫歯を治療した銀歯が鉱石の役割をしてラジオの電波を受信していた」という話を何かで目にした。本当かどうかは知らないけど。

脳や神経が誤作動を起こせば幻聴も幻覚も引き起こす。それを霊的なものと捉えるかは受け取り手次第だろう。
木野エルゴ

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