イチロヲ

実録エロ事師たち 巡業花電車のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
エロ事師として腕をふるっている初老の興行主(殿山泰司)が、新人女優(星まり子)を迎えたピンク一座を結成する。アングラ性産業の裏側を描いている、日活ロマンポルノ。吉村平吉の同名小説を原作に取っている。

本作の主人公は、白黒ショーや花電車などの、違法なエロ興行をプロデュースしている人物。アングラ界の栄枯盛衰を時代背景にしながら、「後継者問題」と「手練手管の継承」をテーマとして取り上げている。

主人公が世話している老婆(武知杜代子)が、物語のキーパーソン。すっかり呆けた老婆なのだが、彼女は戦前の吉原遊廓に従事していた元女郎であり、客人を歓ばせるための手練手管を戦後の世代へと継承させた人物でもある。

一方、ピンク一座では、プロ女優(二条朱実)と新人女優(星まり子)による、性技の継承がドラマティックに繰り広げられる。この「性産業における性技の継承」は、今現在の性風俗においても地続きのため、訴求力が半端ない。
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