監督は「ファーザー」のフロリアン・ゼレール、主演はヒュー・ジャックマン。
ジャックマンの芝居は見所だが、映画としては「ファーザー」ほどではない感じかな。
舞台はNYC、一流事務所の弁護士ピーターが主人公。
ピーターは再婚した若い妻ベスが子供を産んだばかり。ある日先妻ケイトが訪ねてきて、先妻との息子ニコラスが不登校になったと知らされる。ピーターはニコラスを引き取って新しい学校に通わせるが、彼には自傷癖があって…という導入。
元が戯曲らしく、コンパクトな人間関係。
父親ピーターの日常世界を、映画ではライティングでキメた陰影や、直線的なビルを後景に置いて表現。一方息子ニコラスの世界は、ソフトな日常光で撮影されている。マッチョ指向のピーターは、息子の「弱さ」が理解できないのだが、ピーター自身も父親に抑圧された過去が…。
ニコラスが「急性うつ病」と診断される一方、ピーターには大統領予備選挙の選挙チーム参加というオファーが舞い込む…という展開に。
成功しがちが人と、父権の抑圧が結びつくとロクな事にならないよね…というお話なのだが、もうちょっと潤いがあっても良かった。