福福吉吉

呪呪呪/死者をあやつるものの福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.5
◆あらすじ◆
死体に殺されるという前代未聞の殺人事件が発生し、その死体を操った者からインタビューの依頼を受けた記者のジニは夫で警察官のソンジュンとともにその人物のインタビューを行う。その人物はスンイル製薬会社の会長ら3人の殺害を予告し、それを止めるには3人の公式での謝罪を要することを告げ、土人形になって崩れてしまう。同社の過去の治験に原因があることをジニは突き止めるが...。

◆感想◆
韓国ドラマ作品「謗法」の劇場版です。私はドラマ未鑑賞でした。

死体が人を殺すという事件から製薬会社の陰謀と復讐を図る呪術師へのストーリーが展開していき、ホラー要素を絡めながらも、アクションシーンの凄まじさと映像のクオリティの高さが見どころの作品となっていました。

ストーリーのテンポが速く、主人公のジニ(オム・ジウォン)を中心に呪いというオカルト要素と製薬会社の闇というサスペンス要素をアクションシーンでガッツリ繋いでおり、ストーリーの重さをアクションの軽さでカバーしていてバランスが取れていました。

本作ではあやつられた死体をジェチャウィと呼び、それが縦横無尽に動き回るので、かなり気持ちの悪い見た目ですが、動きのアグレッシブさについつい目を奪われてしまいました。製薬会社になだれ込んでくる死体たちやタクシーを奪って追いかけてくる死体など今まで観たことのないゾンビアクションが観られて楽しかったです。

ストーリーとしても、記者のジニが運営する会社「都市探偵」の面々がジェチャウィの正体とその秘密を探る地道な調査のパートやスンイル製薬会社内での権力争いの醜さを描いたドラマパートなど興味をそそる内容になっていて、良かったと思います。

ただ一つ分かりにくい点といえば、「謗法師」のソジン(チョン・ジソ)の存在が今一つ掴めませんでした。ジニとソジンの関係として強い絆があることは分かるのですが、なぜそうなったのか興味を惹きました。終盤にソジンの活躍がかなりストーリーとして大きいものになっているだけにソジンの描写を増やしてほしいと思いました。韓国ドラマ「謗法」を観てみたいです。

とにかく映像として楽しい部分が大きくて、それだけでもかなり満足感のある作品で、面白かったです。

鑑賞日:2024年4月6日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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