監督の生まれ故郷讃歌。北アイルランド事情は全く知らなくて、Belfastという名前も知らなければ（北アイルランドの首都だった恥）、北アイルランドの政治問題が宗教対立に端を発していたことも知らなかった。
主人公の子ども目線でストーリー展開するので人物描写はさほど深くない。きれいで優しい両親、懐深い祖父母、急に勃発する暴動、月面着陸に映画。アイルランド事情に詳しくない身で観ると、郷愁漂う映画であることは分かるものの今ひとつパンチに欠ける作品。数々の賞を総なめにしてるのはCommon Wealthの人たちに響きやすい土地と時代設定だからだろう。
それでもこの映画が（何のご縁も感じない私にとっても）ただの「監督の思い出話」に終わらないのが、Judi Denchの圧巻の存在感。最初は画面の端にチラリと映るだけのおばあちゃん役ながら、徐々にスクリーンの中心に移ってきて、北アイルランド人の温かさと悲哀、1960年代の困難を全て代弁している。
お父さんFifty Shades of GreyのJamie Dornanか。キャラ違いすぎて分からなかった。
