スマトラトラ

ワース 命の値段のスマトラトラのレビュー・感想・評価

ワース 命の値段(2019年製作の映画)
3.7
キツイ。遺った人々の言葉が、ある程度淡々と整理し話をしているシーンがキツすぎて、途中で席立ったレベル(鍋かき混ぜてた)

基金設立の目的が、訴訟によって経済による混乱を防ぐ為。ていう、あくまで国全体を見た政府視点で。被害者救済のためじゃないところが悲しいよね。
ただ、アメリカは知らないけど、公害やら政府や大企業を訴える場合、必要なのは金と気力と体力らしい。どこまで耐えられる?それで救われる?そう考えると、ケンの行動にも納得。
終始自他共に認めるまさに、汚れ役。
そこに年単位で事務所の労力を注ぎ込んた事、スタッフが賛同したことに吃驚と共に、だからこそキツかったかな。

これが、ひたすら数字を愛していて、全ての尺度は数字だ!レベルの人間なら、この感情は抱かず観れたかな。
この人達は、あくまで数字は指標であり、目標値であり、目指すものではある。けど、数字以外が存在している。と知って、そしてひたすら浴びる感情で実感していく所がまた辛い。
感情と数字の典型的中間管理職。

多分、私がこの事務所のスタッフの1人なら、途中でドロップアウトしてる。
私がケンならば、一段落付いた所で世界からドロップアウトしてる。 
実在の人物で、その後も救済に取り組んでる事がナレで流れて、彼の強さに尊敬しかないよ。 けしてヒーローになれない立場でひたすら立ち続ける精神力に敬意を。