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母の聖戦/市民のchinsukoのレビュー・感想・評価

母の聖戦/市民(2021年製作の映画)
3.8
メキシコの誘拐ビジネスに果敢に立ち向かう母の姿

本作は実話をベースにしており、モデルとなる人物も存在する。

メキシコに住むシエロには美しい娘ラウラがいた。ある日ラウラがデートで出かけた数時間後、電話が掛かり「娘を返してほしければ20万ペソ用意しろ」と言われる。別居中であった夫も交え金を工面するシエロ。誘拐犯の代理と思われる男に金を渡すが、一向に娘はかえってこない。聞けば誘拐された人は報復を恐れて半ば諦めているという。はたしてラウラは返ってくるのか。そしてシエロの取った行動とは。

前述したとおり、本作にはモデルが居て、本作でシエロが捜索する事象をほぼ忠実に再現していると思われる。
実際に誘拐の関係者を何人か刑務所送りにしている。

本作はあくまでフィクションとしているが、ドラマを盛り上げる演出は極力排除され、劇中曲も殆どかからないドキュメンタリー・タッチの演出であった。

最後は完全なクリフハンガー状態であったが、モデルの背景を調べるとそれも納得が行った。

メキシコの闇ビジネスを果敢に映像化しメッセージを残すという有意義さと、モデルの人物に敬意を表したいと思う。
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